アッヴィ(ABBV)の企業分析と長期投資向け検討材料・アラガン630億ドル買収の影響

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2019年4月はアッヴィ(ABBV)へ少額の28株を投資し、取得単価は77.97ドルとまずまずの割安さで購入出来ました。

長期投資先としてどうなのか検討した結果を記載しようと思います。

 

 

アッヴィ(ABBV)の概要

 アッヴィは2013年に米国の製薬会社アボット・ラボラトリーズから分社独立し設立。

 

主要製品は以下の難病治療薬となります。

 

ヒュミラ(Humira):抗リウマチ治療

イムブルビカ(Imbruvica):慢性リンパ性白血病治療

HCV治療薬(Viekira、Mavyret):C型肝炎治療

などなど

 

配当利回り5.5%と高配当銘柄でありシーゲル銘柄でもあります。

主な投資指標

売上と利益

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売上は右肩上がりであり、規模としては3兆円越えと大手優良企業と言ってもいいでしょう。営業利益率も35%越えと申し分ないです。

 キャッシュフロー

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キャッシュフローについても安定感があります。

営業キャッシュフローマージンは40%越えと効率的に資金化がされています。

EPS・DPS・配当性向

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比較的高い配当性向になっており、去年は100%を超えています。

今後は潤沢なフリーCFを崩していきながら買収と増配を続けていくものと思われます。

 

DPS・増配率

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配当は右肩上がりで増配率も申し分ないですが、配当性向が高い事もあり、大きな増配は見込めないかと思います。

 

製品ごとの売上推移

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Humiraがずば抜けていますが、Imbruvica、HCV(Viekira、Mavyret)も売上が拡大していることがわかります。

Humiraがほとんどの売上を占めているとは言え、後継薬開発にも取り組んでおり、年々Humira一筋ではなくなってきています。

米国との特許和解契約完了の2023年頃までにHumiraと並ぶ売上の製品を開発する事が重要そうです。

 

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上図は2014年と2018年の各製品売上を比率化したものです。

ここからわかる事は2014年と2018年ではHumiraの売上が伸びているにもかかわらず売上に占める割合は年々小さくなっている事です

このまま順調に推移する事が確定ではありませんが、非常に有力なデータだと思います。

将来性

 2016年にHumiraの特許切れにより欧州では売上が落ちつつあります。

米国は2023年まで和解契約によって特許が守られるそうなのでそれまでにHumiraに代わる主要製品の開発が必要です。

 

注目の開発中の新薬はウパダシチニブ(Upadacitinib)ですね。

関節リウマチ治療薬でHumira以上の効果ありと期待が持てる一方規制当局から承認取得がまだで安全性、有効性は評価されていません。

 

2023年まではImbruvicaとHCV治療薬の2つがどこまで売上を伸ばせるか動向を見守っていきたいです。

 

追記:アラガン買収に関して

2019年6月末にアッヴィがアラガンを買収して投資家から賛否両論の意見が飛び交っており、株価が下落しました。

アラガンはしわ取り薬「ボトックス」で知られるアイルランドの企業です。

2016年にファイザーから買収撤回があってから株価が低迷していましたが、今回のアッヴィ買収によって息を吹き返したように見えます。

 

アラガン買収についてメリットデメリットをそれぞれ押さえておきましょう。

買収のメリット

同じ医療系とはいえ、アッヴィは製薬、アラガンは美容関連と考えると分野が分散し、互いの利益を食うことなく事業拡大が出来ます。

また、アラガンにとってはアッヴィの販売網が増える為、更なる販売拡大が期待できます。

買収のデメリット

以下の2つが大きなデメリットと言えるでしょう。

プレミアム率45%上乗せした630億ドルという多額な買収に加え、アラガンには有利子負債が残っている為、その分の借金を背負うことになります。

もう一つはアッヴィ、アラガン両社ともに競合他社においての優位性が低くなっている点です。

 

まとめ

アッヴィは売上規模が大きく着実に利益を得ている企業ですが、

半面、Humira一筋という認識は変わりません。

ただし、現在の新薬開発や既存治療薬の売上推移からわかるようにHumiraだけに頼る事はせずに現状を変えようとする企業努力が伺え、結果も出てきており将来性があるとみています。

 

アラガン買収によって負債額が大きくなるのが懸念点ですが、私はヒュミラの売上減少を打開するための布石を新たに敷いていると考え、経営陣の英断だと評価したいです。

ただ、大型買収は成功例が少ない事もありそのあたりは肝に銘じておかなければなりません。