ナショナル・グリッド(NGG)の企業分析・英国送電を担う安定企業だが国有化リスクあり

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5株と少数ですが保有しており安定した企業ですが懸念は大きいです。

 

 

ナショナル・グリッド(NGG)の概要

ナショナル・グリッドは1990年に国営電力会社が解体された際に送電事業として民営企業として設立しました。1995年に上場企業となった比較的最近発足した企業と言えます。

 

英国の送電全般を担っている事もあり非常に安定した企業と言えます。

2000年以降は電力事業の規制緩和によって米国進出を果たし、数々の企業を買収しています。更に、英国内のガス供給企業も買収し公益企業として更に拡大しています。

主な投資指標

売上と利益

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売上や利益はずっと横ばいで安定しています。

営業利益率も20%超えと問題なさそうです。

キャッシュフロー

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送電が主な事業なのでインフラ整備、維持に費用がかかるのは仕方ありません。

売上が安定している分、手元に残る資金は少ないですね。

EPS・DPS・配当性向

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 2017年は事業売却によって特別配当があった為、抜きん出ていますが、その他の年は概ね一定です。配当性向は概ね80%程度と高いです。

DPS・増配率

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 ポンドベースだと増配していますがドル換算すると横ばいです。

旨味はADRでの二重課税がない点でしょうか。

将来性

景気悪化時の有力なディフェンシブ株ですが、リーマンショックでも株価が半値している為、過度の期待は禁物です。

 

英国野党が再国有化を計画していると物議を醸していますが、英産業連盟はしっかり批判していますね。産業発展側からしたらたまったものじゃありません。

jp.reuters.com

そもそもなぜに民営化した企業を今また国営化しようと言うのでしょうか。

英国は90年代に次々と民営化した背景は理屈でいうと競争と利益の追求を加速させる事で顧客サービスの改善や価格競争が始まります。これによって顧客(国民)にとって安価なサービスが受けられるというものです。

 

とはいうものの現在の英国で理屈通りに経済が発達したかというとそうではないのでしょう。

 

英国の世論が強く支持しているのは国民向けの公共サービス運営で利益を上げるためのものではないというものです。

2015年の市立ロビンフット電力社を筆頭に様々な市営電力会社が設立しています。

野党・労働党のエネルギー公的所有を強化する目的は、株主配当や役員報酬をなくして公的資金調達による低金利化を図る事で低価格の電力やガスといったエネルギー供給する事を考えているのでしょう。

 

再生エネルギー、既存エネルギーどちらにせよNGGの送電網は非常に重要ファクターですので野党の計画にとって有用なのは理解できますし、上手く行けば国民もありがたいでしょう。しかし、投資家としては何も面白くないですよね。

 

以下のニュースにあるようにEU離脱によって調達コストが上がる為、それを防ぐために国有化という筋書きです。

EU離脱すると生命維持が困難になる恐れがある為、仕方ないのかもしれません。民意とはいえブレグジットはまだまだ波乱を起こしそうです。

jp.reuters.com

今後の世論や政治動向には目が離せません。

まとめ

NGGは公益事業の一つである送電を主事業としている企業ですが、米国では発電もしていたりします。安定した企業ですが、その安定さが仇となって国有化リスクが高いのも事実です。

野党・労働党の掲げる計画にとってNGGの送電網は何が何でも獲得したいものなのでしょうね。